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健康経営とは?注目される背景やメリット、取り組みの流れを解説

近年、企業の持続的な成長に欠かせないものとして、健康経営が注目を集めています。健康経営とは、従業員の健康状態を良好に保つことで、企業の発展や働き方改革の推進につながる取り組みのことです。しかし、健康経営の必要性や実践方法について充分に理解できておらず、課題を抱えている企業も多いでしょう。この記事では、健康経営とはどのようなものか、メリットや実践方法、注意点などをわかりやすく解説します。健康経営について正しく理解したい方は必見です。

 

目次


健康経営とは?

健康経営は、従業員の健康管理や健康増進のための取り組みを、経営的視点で考える新しい経営手法です。従来、従業員の健康管理は自己責任であり、企業にとってコストだと考えられていました。しかし従業員の健康づくりを「投資」と捉えて健康経営に取り組めば、生産性向上といったリターンを期待できます。

また健康経営は、法令遵守とリスクマネジメントという観点から見ても有効な手法です。

2013年から国レベルでの普及推進が行われ、健康経営に取り組む企業が増加しています。実際に健康経営に取り組む企業からは、生産性や業績の向上・組織の活性化・企業価値のアップなど、さまざまな効果を実感しているという声があります。

提唱者は、米国の経済学者であるロバート・H. ローゼン(Robert H. Rosen)氏だといわれています。1992年に出版された「The Healthy Company」の中で、組織や仕事から発生するストレスが従業員に与える影響と、取り去った場合の効果などについて取り上げ、米国を中心に広まりました。

健康経営が注目される背景

近年になって健康経営は、経済産業省や自治体などの行政機関が旗振り役として積極的に推進する
ようになり、今では多くの企業が取り組んでいます。
健康経営がここまで注目されるようになった背景を紹介します。

1.国民医療費の増加

政府が健康経営を推奨する理由の一つに、増加する国民医療費を抑制する意図があります。
厚生労働省の「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」によれば、国民医療費の対国内総生産比率は昭和35(1960)年度から令和1(2019)年度まで毎年増加しています。
令和2(2020)年度では減少に転じているものの、人口一人当たりの国民医療費は34万600円と高額です。

国民医療費を抑制する施策としては、かかりつけ医制の推進や、健康増進施策の推進による疾病の予防なども行われていますが、健康経営を促進して事業所単位で健康増進に取り組むことで、国民医療費の増加を抑えようという狙いです。

2.少子化による生産年齢人口の減少と人手不足の深刻化

日本はすでに少子高齢化社会に突入しており、現状の人手不足が将来的にはさらに加速することが予測されています。働き手不足による経済の停滞を懸念して、政府も働き方改革に乗り出しました。健康経営の推進も、人手不足の解消による日本の経済力強化を狙ったものといえます。

労働力人口が減少し、人手不足の中で、数少ない従業員に健康を維持してもらい、長く働いてもらうために、健康経営は重要です。
疾病で休職している従業員に対しても、適切なケアを提供して回復を促し、復職してもらえば、人手不足解消につながります。

出典:『労働市場の未来推計 2030』(パーソル総合研究所)

3.ワークライフバランスの推進

従業員に休みを与えずに長時間労働させることが常態化している企業では、職場の士気も下がりますし、健康状態も悪化します。また、日本の労働者の大半において、私生活や家庭に費やす時間・労力がほとんど残らないようでは、未婚化・少子化が一層進行するのも明らかでしょう。以上の理由から、内閣府も働き方改革を推進するなかでワーク・ライフ・バランスの実現を掲げています。

労働者が健康的なワークライフバランスを持つことは、ストレスや過労を軽減し、心身の健康を維持する上で重要です。企業が従業員のワークライフバランスを尊重し、働きやすい環境を提供することは、従業員の満足度や生産性向上に繋がります。

 

健康経営のメリット

健康経営の実現には、以下のように大きく分けて6つのメリットがあります。

  1. 労働生産性の向上
  2. 離職率の低下と人材の定着
  3. 求職者へアピールし、採用活動を強化できる
  4. 会社の知名度・ブランドイメージのアップ
  5. CSRやSDGsを重視する取引先へのアピール
  6. 健康経営の各種認定制度によるインセンティブの獲得

1.労働生産性の向上

健康経営を推進することで、従業員のパフォーマンスを最大限引き出せるようになり、全社的に労働生産性が向上します。従業員の健康状態が悪い職場だと、会社全体の労働生産性は著しく低下してしまいます。
過労・メンタル不調による従業員の欠勤・休職が発生している状態(アブセンティーズム)では、他の従業員がその人のぶんまで仕事を抱えることになり、業務の負担が急激に重くなります。それによって、他の従業員も健康状態を崩したり、離職したりするケースが増え、さらに労働環境が悪化していくといった負の連鎖が続きかねません。また、欠勤・休職などの明白な不調を抱えている従業員がいない場合も、実は従業員の健康状態が労働生産性に悪影響をおよぼしている職場は少なくないのです。

一方で出勤はしているものの、心身の健康状態に不調をきたして従業員が本来のパフォーマンスを発揮できない状態のことを、プレゼンティーズムと呼びます。このプレゼンティーズムによる労働生産性の損失額は、医療費やアブセンティーズム(病欠など)と比較して、実は突出して多いとのデータがあります。

2.離職率低下と人材の定着化

健康経営と離職率を分析したデータが経済産業省で公表されています。東京証券取引所の上場企業で健康経営に優れた銘柄として選定された法人である健康経営銘柄と、優良な健康経営を実践している大企業や中小企業であると認定された健康経営優良法人2023は、2021年における全国の一般労働者の離職率と比較しても低い傾向であると公表されています。

離職率が低下せずに、従業員が退職すると、以下のようにさまざまなコストや損失が発生すると考えられます。
【従業員の退職で会社が負担するコスト・損失】

  • 入社から退職までにかかった給与・賞与・社会保険料
  • 新しい従業員を採用するコスト(求人広告など)
  • 新しい従業員が入社するまでの期間に発生する、他の従業員の負担増・残業代
  • 新しい授業員を教育するコスト
仮に新卒社員が1年で退職してしまった場合のコストは280万円にも及び、損失を回収するには1400
万円もの売上増を達成しなければならないとの試算もあります。
 

従業員のメンタルヘルスの問題を放置すると、体調不良や精神的な負担を理由とした休職・退職が増加する可能性があります。人手不足が深刻化する中、優秀な従業員が離れていくことで生まれる悪影響は甚大です。
そこで、健康経営を実践し、メンタルヘルス不調を未然に防いだり、早期に発見して適切に対処したりすることで離職率の低下は抑えられ、人財の定着も目指せるでしょう。

3.求職者へのアピールで採用活動を強化

健康経営への取り組みを積極的にPRすることで、求職者を募集しやすくなります。

ごく一部の大企業・有名企業を除き、多くの会社は一般的な知名度はほとんどないのが現状です。
そこで健康経営の活動を告知し、社員を大事にしている会社なのを伝えられれば、他企業から頭一つ
抜け出られる大きなアピールポイントになります。

また、自社の社員を通して知人・友人を採用候補者として紹介してもらうリファラル採用も促進
できるでしょう。働きやすく社員が心から満足している会社でないと、知人・友人にはとても勧
められないため、リファラル採用は失敗してしまうからです。

なお、後述する健康経営優良法人や健康宣言事業などの顕彰を受ければ、健康経営に真剣に取り組
んでいる企業であることが客観的に保証されるので、より効果的です。

4.会社の知名度・ブランドイメージの向上

社員の健康づくりを推進している会社であることをホームページやプレスリリースなどでアピール
することで、ブランディングを実現できます。また、健康経営優良法人や健康宣言事業では、認定を
受けた企業の公表や表彰・プレスリリースなども実施してくれることもあります。

とりわけ広報費や広告に予算をかけられない中小企業にとっては、会社の知名度をコストをかけず
に上昇できる得がたいチャンスです。

5.CSRやSDGsを重視する取引先へのアピール

企業の社会的責任(CSR:corporate social responsibility)やSDGsを重視する取引先にとって、積極
的に健康経営を実践している企業であることは大きなアピールポイントです。健康経営の促進は、取
引の拡大や新規取引先の獲得につながる可能性も高いでしょう。

6.健康経営の各種認定制度によるインセンティブを獲得できる

健康経営優良法人に認定されると、ロゴマークをウェブサイトなどで使用できるようになります。認
知されやすいロゴマークは組織内外へのアピールに有効であり、顧客や従業員、消費者からの評価が
高まるでしょう。

健康経営の各種認定制度について

経済産業省は健康経営に関して、下記の通り顕彰制度を設けています。優良な健康経営を実施して
いる法人を「見える」化し、社会的評価を与えるという制度です。

健康経営優良法人認定制度

● 健康経営銘柄
● 健康経営優良法人
● 健康経営優良法人ホワイト500・ブライト500

上記の制度について、それぞれ詳しく見てみましょう。

1.健康経営銘柄

健康経営銘柄は、東京証券取引所の上場企業から、健康経営に優れた銘柄を選定する制度のことで
す。選定されると、投資家にとって魅力のある企業として紹介されるため、資本が集まりやすくな
ります。

健康経営銘柄に選定されるためには、毎年8~10月ごろに実施される健康経営度調査に回答するこ
とが必要です。企業方針や組織体制、施策実施の状況など、さまざまな視点から健康経営に関する
取り組みが評価され、最終的には経済産業省と東京証券取引所によって選定されます。

詳しくは、以下をご覧ください。

参考サイト:経済産業省「健康経営銘柄」

2.健康経営優良法人認定制度

健康経営優良法人認定制度とは、優良な健康経営を実践している大企業や中小企業などの法人を顕彰する制度です。大企業を対象とした大規模法人部門と、中小企業が対象の中小規模法人部門で構成されています。

認定されると、健康経営優良法人のロゴマークを使用できます。また、従業員の健康管理を経営的に捉え、戦略的に取り組んでいる優良法人として、関係企業や従業員、求職者などから、社会的に高い評価を受けられるのが大きなメリットです。そのほか、自治体や金融機関などにおいて、健康経営優良法人に対するさまざまなインセンティブも存在します。

健康経営優良法人として認定されるためには、日本健康会議が進める健康増進の取り組みや、地域の健康課題に則した取り組みを行い、審査を受けることが必要です。

詳しくは、以下をご覧ください。

参考サイト:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」

 

3.健康経営優良法人ホワイト500/健康経営優良法人ブライト500

健康経営優良法人の中でも上位の法人は、ホワイト500、ブライト500として認定されます。ホワイト500は、大規模法人部門の認定法人のうち、上位500法人に与えられる認定です。ブライト500は、中小規模法人部門の認定法人のうち、上位500法人に与えられます。

ホワイト500とブライト500には、それぞれ特別なロゴマークが存在します。特に優良な健康経営を実践している企業であることをアピールできるため、社会的に高い評価を得られるでしょう。

参考サイト:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」

健康経営の始め方・取り組みの手順

健康経営を会社全体が一丸となって実行するための、計画の立て方や取り組みの始め方について紹介します。健康経営優良法人や健康宣言事業に参加する際のフローに則していますので、これらの認定を目指している方はぜひご覧ください。

1.加入している保険者(協会けんぽや健康保険組合)への相談

まずは自社が加入している協会けんぽや健康保険組合の窓口や電話番号へ、「健康経営を始めたいんですが…」と相談してみるのがよいでしょう。

ネットや本などで情報収集するのももちろん効果的ですが、健康経営についての専門知識を備えた協会けんぽ・健康保険組合の職員の方にアドバイスしてもらうのが、一番早く確実です。

どんな計画・施策を実施すべきか、具体的に何から始めるべきなのかなどをわかりやすく説明してくれるはずです。

また、健康経営優良法人や健康宣言事業への参加を検討している場合は、その旨も伝えておくとよいでしょう。

特に健康経営優良法人(中小規模法人部門)では、自社が加入している協会けんぽ・健康保険組合の健康宣言事業への参加が必須です。

併せて健康宣言事業への参加方法やエントリーシートの書き方、申請フローなども教えてもらいましょう。

2.健康宣言

次に自社が健康経営に取り組むことを社内外に伝える、健康宣言を実施します。

健康宣言とは、経営者が従業員やその家族の健康管理を経営課題として認識し、組織として対策に取り組むことを明文化して意思表示することです。

社内・社外への発信の両方を簡単に満たすには、企業ホームページ内に健康宣言のページを作ってそこで発信するのがもっとも確実で効率的でしょう。

3.組織体制の構築

次に健康経営を実践する組織体制を社内に構築します。

健康経営を担当する「健康づくり担当者」を幹部や従業員のなかから任命するとよいでしょう。

健康づくり担当者は定期健康診断などの実務に携わっている従業員や、実行力・リーダーシップのある幹部などから選任するのがお勧めです。

なお、健康づくり担当者の任命は健康経営優良法人(中小規模法人部門)でも必須項目に指定されています。

健康づくり担当者が決定したら、健康経営の旗振り役や実務を担う従業員も複数人選出します。

4.自社の健康課題の把握

健康経営を効果的に進めるには、まずは自社のどこに問題があるのかをしっかり把握しなければなりません。

以下のような項目をチェックし、現状では不十分なポイントを洗い出すとよいでしょう。

【チェックすべき健康課題のポイント】
  • 定期健康診断・再検査・特定健診などの受診率のチェック
  • ストレスチェックや従業員のメンタル傾向の確認
  • 残業時間・有給休暇の取得状況などの確認
  • 従業員の昼食などの食生活や、運動状況についての調査
  • 喫煙率のチェック

5.計画策定・取り組みの実行

健康課題の洗い出しが完了したら、それらを改善する計画・施策を立案しましょう。

なかでも定期健康診断の受診率100%や、屋内での禁煙(喫煙室除く)は法令で義務が課されていますので、万が一達成できていない場合は最優先で取り組んでください。

どんな施策・取り組み内容があるかは、後ほど「健康経営の具体的な取り組み内容」で詳しく紹介します。

6.取り組みの評価・見直し

各種取り組みを始めて一定期間が終了したら、従業員の健康経営への参加状況を把握しましょう。

生活習慣や健康の改善、参加者の満足度、仕事に対するモチベーションのアップなど、健康づくりの効果や反応をチェックし、さらなる施策につなげてください。

このようにPDCAを常に回しつづけることが健康経営ではもっとも重要です。

また、各地の健康宣言事業や健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定を目指している場合は、申請手続きも忘れず実行しましょう。

健康経営の具体的な取り組み内容

それでは、健康経営の取り組みには具体的にどのような施策があるのかを、カテゴリーに分けて詳しく解説していきます。

健康経営優良法人や健康宣言事業で指定されている内容を中心に紹介していますので、これらの認定を受けたい方もぜひご覧ください。

1.健康診断受診率と保険指導の実施率アップ

年に1回の健康診断の実施は労働安全衛生法によって企業に課されている義務であり、違反すると50万円以下の罰金が科されます。

しかし、厚生労働省の2012年(平成24年)の労働者健康状況調査によれば、健康診断の実施率は従業員500人以上の事業所では100%に達するのですが、規模が小さくなるほど実施率は低下し、従業員10~20人の事業所では89.4%と9割に満たないのが現状です。

また、受診率については5000人以上の大規模な事業所ですら87.8%と、90%に達していません。
 
受診率が低い理由としては、従業員が「業務が多忙なため通院する時間を取れない」「受診の予約や通院が面倒」などの理由で、受診をあきらめている例が散見されます。
 

定期健康診断の実施は健康経営以前に法律で定められた義務ですから、受診率が現時点で低迷している場合は、まずはここから改善に着手するのがよいでしょう。

【健康経営】

特に健康経営優良法人の認定を目指している場合は、受診率が100%もしくは特定の条件下で95%以上
でないと認定要件を満たせない項目もありますので、受診率向上の優先度は高いです。
健康診断の受診率をアップさせる施策としては、以下があります。
 
【健康診断の受診率アップなどの施策】
  • 未受診者への声かけ・メール・文章などでの通知
  • 従業員への受信報告の義務付け
  • 健康診断受診時間の就業時間認定や特別休暇付与
  • 職場での一斉検診の実施
  • 大腸がん検診や腫瘍マーカー検査などの会社負担での実施

 

2.健康診断の再検査・特定保健指導の受診勧奨

健康診断の結果、再検査や要検査の診断が出された従業員や、特定保健指導が必要な従業員に対して
、受診を勧めることも健康経営に直結する施策です。
 
※特定保健指導…特定健診の結果、生活習慣病のリスクが一定以上の人に対して実施される、生活改善
を目的とした指導のこと。
 
※特定健診(特定健康診査)…生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診
のこと。対象者は40歳以上75歳未満の被保険者および被扶養者。
 
【健康診断の再検査・保健指導の受診勧奨などの施策】
  • 対象の従業員に対して、特定保健指導の案内を通知する
  • 再検査や特定保健指導実施時間の就業時間認定や特別休暇付与
  • 社内にて特定保健指導の実施場所を提供する
  • 事業場からオンラインで特定保健指導を受けられる環境を整備する

3.ワークライフバランスの実現

健康経営だけでなく、働き方改革の面からも、残業や休日勤務などの長時間労働の抑制は現代の企業
にとって急務です。
 
また、有給休暇の取得推進やテレワーク勤務の導入など、育児・介護などの私生活と仕事を両立しや
すい体制の構築(ワーク・ライフ・バランスの実現)も欠かせません。
 
ワーク・ライフ・バランスを実現するための具体的な施策を紹介します。
 
【ワーク・ライフ・バランス実現の施策】
  • 残業の事前申告制の導入
  • パソコンのログイン時間の記録など、勤務時間を正確に記録するシステムの導入
  • 残業・休日勤務の削減を一般従業員・管理職の評価項目に設定
  • 勤務間インターバル制度の導入
  • テレワーク(在宅勤務制度)・フレックスタイム制度・時差出勤制度の導入
  • 有給休暇取得の勧奨(取得目標の設定など)
  • 時間単位の有給休暇取得
  • 病気休暇・看護休暇・リフレッシュ休暇などの有給の特別休暇制度の導入
  • 育児・介護などのための短時間勤務制度や週3日勤務制度
  • ノー残業デーの設定

4.食生活の改善と運動・スポーツの促進

食事と運動は健康状態に直結する要素ですから、健康経営を推進するうえでも大事なポイントです。
 
これまでは「食事と運動は、従業員の自己管理・自己責任の範囲」との意識が強かったですが、高齢
化と人手不足が進行する今後の日本企業においては、従業員に丸投げするだけでは持続的な事業活動
は困難になっていきます。
 
【食生活の改善と運動・スポーツの促進施策】
  • 社員食堂・仕出し弁当・野菜などの現物支給・金銭補助などで、健康に配慮した食事ができる
    制度
  • 自動販売機や訪問販売などでの健康に配慮した飲料・栄養補助食品の提供
  • 食生活改善のアプリ提供や、社員食堂でのカロリー・栄養素表示
  • 腹八分目運動、野菜摂取週間、料理教室などの食生活改善の企画実施
  • スポーツクラブなどとの提携・料金補助
  • 職場内への運動器具の設置
  • スポーツイベントの開催・参加補助
  • 職場内でのラジオ体操・ストレッチ・ヨガなどの運動をする時間の整備
  • 徒歩通勤や自転車通勤の支援
  • 運動を目的とした同好会・サークルの設置や金銭支援・場所の提供
  • バランスボールなどの職場への設置

5.従業員同士のコミュニケーション活性化

従業員同士のコミュニケーションが活発で心理的安全性が確保されている職場と、そうでない職場で
は、たとえ同じ業務量であっても疲労度やメンタルヘルスへの影響が格段に変わってきます。
 
健康経営を実現するためには、単に肉体的な健康や労働時間のみに配慮するだけでなく、風通しがよ
く働きやすい職場にすることも重要です。
 
【従業員同士のコミュニケーション促進施策】
  • フリーアドレスオフィスなどの職場環境整備
  • 社内ブログ・SNS・チャットアプリなどのコミュニケーション促進ツールの利用推進
  • 意見交換会やサンクスカードなどの交流を活発化させる企画の実施
  • 同好会・サークルなどの設置や金銭支援、場所の提供
  • 社員旅行や家族交流会・昼食会などのイベントの開催
  • ボランティアや地域のお祭りへの従業員参加の促進
 
※フリーアドレスオフィス・・・オフィス・事務所のなかで各従業員の席を固定せずに、自分の好きな
席で働けるワークスタイルのこと

6.女性の健康保持と働きやすい職場の実現

SDGs(持続可能な開発目標)でもジェンダー平等と女性のエンパワーメントが掲げられており、少
子化がより進行していく今後の日本の企業では、女性の健康増進と長く働きやすい環境の整備は欠か
せません。
 
女性の健康を保持し、エンパワーメントできる施策例を紹介します。
 
【女性の健康保持と働きやすい職場の実現の施策】
  • 婦人科健診(がん検診を含む)・検診への金銭補助や就業時間認定、特別休暇付与
  • 医師・保健師などへ女性の健康問題について相談できる外部窓口の設置
  • 生理休暇の整備と有給化
  • 女性専用休憩室の設置
  • 妊娠中の従業員に対する業務上の配慮(検診・休診時間の確保やテレワークの導入など)
  • 不妊治療の支援(就業時間認定など)

7.分煙の徹底と喫煙率低下の取り組み

SDGs(持続可能な開発目標)でもジェンダー平等と女性のエンパワーメントが掲げられており、少
子化がより進行していく今後の日本の企業では、女性の健康増進と長く働きやすい環境の整備は欠か
せません。
 
女性の健康を保持し、エンパワーメントできる施策例を紹介します。
 
【女性の健康保持と働きやすい職場の実現の施策】
  • 婦人科健診(がん検診を含む)・検診への金銭補助や就業時間認定、特別休暇付与
  • 医師・保健師などへ女性の健康問題について相談できる外部窓口の設置
  • 生理休暇の整備と有給化
  • 女性専用休憩室の設置
  • 妊娠中の従業員に対する業務上の配慮(検診・休診時間の確保やテレワークの導入など)
  • 不妊治療の支援(就業時間認定など)

まとめ

ここまでご紹介してきたように、健康経営の推進で労働生産性の向上や人材の定着、採用活動の強化などさまざまなメリットが期待できます。

今後、さらに少子高齢化が急激に進む日本においては、マンパワーの絶対的不足や職場の高齢化は避けては通れません。

健康経営の推進は、企業が長期的に事業を続けるうえで必須になります。

特に「健康状態が悪い社員が多い…」「人手不足で困っている…」という会社ほど、ぜひ健康経営を始めてみてください。